« 神への挑戦 | トップページ | 人間とは何か »

EUの父 クーデンホーフ・カレルギー

鳩山総理の高い理想と題して読売新聞のウェブ版に以下のように書かれていました。

「 鳩山首相の高い理想、「友愛」は世界で通用?

 21日夜(日本時間22日午前)、ニューヨークで中国の胡錦濤国家主席との会談を終えた鳩山首相は、記者団に自ら結果を伝えた。

 「自分が描く『友愛精神』にのっとった国際関係の話を申し上げた」

 日中両国が違いを乗り越えて信頼関係を構築し、それを軸に東アジア全体の「共同体」を構想したい。日本をたつ際、「一番大事なことは、他の首脳の方々に信頼していただくこと」と謙虚に語った首相だが、米国到着から約2時間半後に臨んだ首脳会談では、「鳩山カラー」全開で外交デビューを飾った。

 「気候変動」「核軍縮」がテーマの国連の各会合での演説も、高い理想を掲げる「鳩山カラー」が彩る。2020年までに温室効果ガスを1990年比で25%削減し、「核兵器のない世界」も実現――。いずれも、世界が違いを乗り越えられない難題で、日本が主導的役割を果たそう、という野心的な思いがこもる。

 こうした外交姿勢の根幹にあるのが、首相が「政策を決めるときの判断基準」と語る「友愛」の精神だ。

 「欧州統合の父」とされるオーストリア貴族のクーデンホーフ・カレルギー伯が説き、首相の祖父・鳩山一郎元首相がその精神を引き継いだという「友愛」について、首相は「価値観の違う人や国に対し、敵視ではなく、信頼醸成を図るものだ」と説明する。

 民主主義など共通の価値観に基づいた「価値観外交」を掲げた麻生前政権とは一線を画すアプローチだ。

 だが、「アジア共通通貨」や東アジアの恒久的な安全保障の枠組み創出をめざすとした首相の就任前の論文は、「米国離れ」「脱米入亜」などと報じられた。新政権が、日米地位協定や在日米軍再編の見直しを掲げていることもあり、米国が首相に向ける視線には、期待と警戒感が入り交じる。

 一方、「友愛」外交が、中国との間でくすぶる東シナ海のガス田開発問題や、ロシアとの北方領土問題などの懸案解決に、どこまで有効かは未知数だ。21日の日中首脳会談で、首相は「友愛の海にしたい」とガス田共同開発のための条約交渉に応じるよう促したが、胡主席は「平和・友好・協力の海にしたい」と同じく抽象的な言葉を返しただけで、言質は与えなかった。

 「友愛」は、国際社会の冷徹な現実に風穴を開けるのか、それとも単なるユートピア思想に終わるのか。就任後わずか1週間の初舞台が、その試金石となる。
(2009年9月23日09時36分 読売新聞) 
 
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090923-OYT1T00073.htm


この記事の中で注目するところは鳩山総理の掲げる「友愛」は祖父一郎氏の意志を受け継いでいることと、その原点が「欧州統合の父」とされるオーストリア貴族のリヒャルト・クーデンホーフ・カレルギー伯爵から生まれているというところだと思います。

 
 リヒャルト・クーデンホーフ・カレルギーの母親はかの有名なクーデンホーフ光子で、定かかどうかは別として香水Mitsouko のモデルになったといわれている青山光子でありました。
 彼女は1893年、周囲の反対を押し切って当時のオーストリア・ハンガリー帝国から東京に駐日代理大使として赴任したハインリヒ・クーデンホーフ・カレルギーと結婚し、その三年後に夫の祖国に渡ります。
 彼女には7人の子供が授かりますが、その中の次男として生まれたリヒャルト・クーデンホーフ・カレルギーこそ今日のEU統合の礎を築いたEUの父と呼ばれる人物なのです。

Image5201

上の写真は10月1日、首相官邸で開かれた日本・オーストリアの首脳会談での一コマです。
 鳩山総理が一冊の書物をオーストリアのフィッシャー大統領に贈呈された写真ですが、実はこの書物は祖父一郎氏がリヒャルト・クーデンホーフ・カレルギーが執筆した「自由と人生」を日本語に翻訳された書物でありました。

 祖父鳩山一郎氏はFMのグループに属した人物でありました。そして、そのグループへ導いた人物が、リヒャルト・クーデンホーフ・カレルギーであったのです。

 鳩山総理が何故、日本語で書かれた書物をオーストリア大統領に贈呈する必要があったのか、日本語で書かれた書物など、当然読むことは出来ない書物であるからです。
 
 EU合衆国と東アジア共同体、そこに共にFMのメンバーであった両国の今は亡き著名人の意志が受け継がれている。

 思えば1923年、日本では関東大震災が起きた年にリヒャルト・クーデンホーフ・カレルギーは「汎ヨーロッパ主義」を著しました。
 そして時代の変遷と共に、まず1951年4月に欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)が設立されます。
 それが1957年3月には欧州経済共同体(EEC)に、さらにはベルリンの壁が崩壊して、1992年2月には欧州連合(EU)が創設されました。
 そして、1993年11月に欧州連合の条約を定めたマーストリヒト条約が発効され、1999年1月に欧州単一通貨ユーロの登場となるのです。
 このような欧州においての歴史的な出来事の出発点を考えたとき、リヒャルト・クーデンホーフ・カレルギーの功績は偉大なものであったのでしょう。
 そしてリスボン条約の批准を受けて時代はEU合衆国という最終段階である政治統合が成し遂げられていくのです。

 もう一度お伝えさせていただきますと、そのような時代の動きの中で、鳩山総理は何故、今回オーストリア大統領に祖父一郎氏の翻訳された書物を渡す必要があったのか。
 
 これが彼らグループ内の「儀式」ならば、欧州と日本で起きていることは単なる相似性というものではなく、意図的なものであると捉えることが出来るのです。

|

« 神への挑戦 | トップページ | 人間とは何か »

ひとり言」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1248068/31868077

この記事へのトラックバック一覧です: EUの父 クーデンホーフ・カレルギー:

« 神への挑戦 | トップページ | 人間とは何か »