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米国人が語る、米国人の心と未来 2

『 カインは自らの力を誇り、反対にアベルは人間の無力さを知っていたのである。その結果何が起きたのであろうか。

 創造主なる神はアベルの供え物を受け取り、カインの誇りに満ちた土地の産物を受け取らなかったのである。
 
 このことはその後の人類歴史をすべて暗示しているように思える。

 カインは自らの力を頼りし、常に自分の力に酔いしれてきた。この「力」という言葉を「知恵」という言葉に置き換えることができるかもしれない。具体的にいえばそれが文明であり、文化であり、科学技術・・・などと言えるかもしれない。
 もちろんこのようなものが悪であるという意味ではない。しかし、それをどのように使うか、どのような感謝を持って使うかということが大きなポイントである。
 
 カインの場合、自らの知恵を自慢に使った。そして自らの産物を、創造主なる神への異議申し立てのために自慢したのであった。

 しかし、アベルはなんら誇ることはなかった。アベルにあったのは創造主なる神への感謝だけである。それゆえに神は彼を受け入れたのである。
 人類はどのような歴史を綴ってきたのであろうか。人類はその後の歴史をどのように組み立ててきたであろうか。

 そして事件が起きた。

 これもまたその後の人類歴史を示している。すなわち「殺人事件」である。

 兄のカインは創造主なる神に退けられたことで、弟のアベルを憎んだ。そして弟アベルに向って「野に行こうではないか」と言って、野に連れ出し、すきをねらって弟のアベルを殺してしまったのである。
 人類の初めての死、それは殺人事件によってもたらされた。そしてそれは行きずりの殺人事件ではなく、兄が弟を殺す、すなわち兄弟殺しが起きてしまったのである。

 私たちは毎日の事件を新聞やあるいはテレビのニュースで知ることができる。なんと悲しむべき事件が累々として続いていることであろうか。そしてそれが大きく火を噴く時に戦争に至るのである。憎しみは憎しみを呼び、そして恐るべき憎悪の歴史はますます雪だるまのように加速度的に増え広がり、かつ殺す道具も、かつてのカインによってアベルが石で殺されたとは異なり、今は大量殺人兵器を作り出してしまったのである。

 以上のことは旧約聖書・創世記4章に詳しく記録されている。ただそれが記録されているというのではなく、私たち欧米人、そしてユダヤ民族を含むほとんど多くの人々の思想の原点なのである。わかっていてもそれでも止められない。創造主なる神の前に心を低くするということがどれほど難しいことであろうか・・・・・。

 いわゆる科学が悪用される前は、人類は非常に謙虚であった。そして自然の法則、自然のリズムの中に生きてきたのであった。
 太陽を見ても、月を見ても、美しい花を見ても、創造主なる神に感謝した。そして神の前に生かされていることの喜びを噛み締めることができたのである。
 しかし今日、人類は科学の発達を自らの知恵であると誤解した。そして自分たちが立派な者、自分たちは何でもすることができると思うようになってしまった。
 自然を征服する。自然を自らの力で切り開いていくことで、自らを「創造主なる神」であるがごとき誤解を持ってしまったのである。

 そして聖書は何と人類の先を指し示していたことであろうか。
 これは宗教ではなく、やがて確実に起きる未来の現実である。
 
 それこそ「ハルマゲドンの戦い」である。

 新約聖書の最後、聖書全体の最後は「ヨハネ黙示録」であるが、その16章には世界で最も有名な戦い「ハルマゲドンの戦い」が述べられている。

 ハルマゲドンとはどこにあるのであろうか。架空の話ではない。実は今日、中東にあるイスラエルの北方にあり、そこから北へ少し行くとレバノン、そこから少し東北に行くとシリア、そして南にはヨルダンがある。その4つの国の接点である。しかし、4つの国といってもイスラエルはレバノン、シリア、ヨルダンと敵対関係にある。ヨルダンは今イスラエルと和平条約を結んだといえども、将来の中東における大戦争で、イスラエルといつまでも平和の関係を保ち得るかどうかわからない。
 「ハルマゲドン」は現に中東にある。そして今、世界のゆくえを決する発火点は「第五次中東戦争」であることがわかる。
 
 そこへユダヤ民族が自らの先祖の土地であるとして「イスラエル建国」を行ったのが、1948年5月であった。その結果、どれほど多くのアラブ人たち、すなわちパレスチナ人たちが家を失い、土地を失い、思い出を失ったことであろうか。彼らは多く殺され、同時にまたアラブ諸国や世界に散らされて行ったのである。

 以後、戦争は繰り返され、世界はオイル・ショックで中東に目を注がざるを得なくなったのである。
 それでも私たちの国アメリカはイスラエルを支持し、ユダヤ民族の肩を持っている。その背後には「政治的意味」がある。
 これで中東の戦争が終わったわけではなく、ますます追いやられたパレスチナ人たち、苦しめられているアラブ諸国、そしてイスラム諸国は憎しみを駆り立てられていくのである。

 かつてイエスが「剣を取る者は剣で滅びる」と言ったが、人類は結局、この言葉のいわば法則の中に、歴史を綴っているのである。

 イスラエルは1948年5月、すなわち第一次中東戦争で勝利を得たといっても、その後安心して眠ることはできないのである。第三次中東戦争(1967年6月)以降、それまで虐げられたパレスチナ人たちはゲリラ活動を開始した。イスラエルに対してあらゆる手段を持って対抗するようになったのである。
 やがてそのパレスチナ人の中から、子どもたちが石のつぶてを持って、完全武装のイスラエル兵に挑みかかっていったのである。
 イスラエルはこれらのパレスチナ人たち、またパレスチナの子どもたちを大量に殺していかざるを得なくなったのである。

 イスラエル建国以来、またイスラエルが第三次中東戦争でより広い占領地を獲得したことで、パレスチナの人々やパレスチナの子どもたちは、貧しい生活の中に落とされていった。
 それでもアメリカはイスラエルの肩を持ち、イスラエルはそれをよいことにして中東地域で暴れまくり、最終的に自分たちを守るために核兵器を製造し、保有するようになったのである。

 中東問題を知るならば、世界政治がいかに欺瞞に満ちたものであることがわかるのである。
 この欺瞞の結果、今までの超大国アメリカとされてきた私たちの国家が、多くのイスラムの人々の前に、攻撃にさらされることがあり得るのではないであろうか。
 特にイスラエルはそのことに怯えており、国民は大いなる恐怖を覚えている。
 ハルマゲドンは聖書全体の最後の預言である。
 「第六の御使いが鉢を大ユーフラテス川にぶちまけた。すると、水は、日の出るほう(すなわち東の方)から来る王たちに道を備えるために、かれてしまった・・・・彼らはしるしを行う悪霊どもの霊である。彼らは全世界の王たちのところに出て行く。
 万物の支配者である神の大いなる日の戦いに備えて、彼らを集めるためである・・・こうして彼らは、ヘブル語でハルマゲドンと呼ばれる所に王たちを集めた」(ヨハネ黙示録16章12~16)

 人類の行き着く先に何があるのか。ハルマゲドンの戦いである。そして私たちはもうすでにその兆候を見ることができる。
 中東はますます熱くなっている。特に中東において、同じイスラムを信奉しているものとして、イランは激しくイスラエルを憎んでいる。そしてすきあらば、イスラエルへの攻撃を計画していることは明らかである。

 かつてアダムとエバの子ども、カインとアベルの争いと同じように、人類はもっと大きく、もっと恐るべき兵器を手にして歴史を繰り返し続けている。
 このような観点で私たちはオバマのノーベル平和賞受賞の演説に耳を傾けなければならない。彼はいわゆる少年少女が描くような理想の平和を夢見ているのではない。オバマは現実的に世界戦争が起きるその時、自らがノーベル平和賞を受賞したとはいえ、アメリカ合衆国軍最高司令官としての行動をまた取らなければならないと述べているのである。

 このオバマの心境の背後を見るならば、彼にとってはやはり戦争は避けがたいものであるという思いが生きていることがわかる。
 結局、人類は行き着くところまで行く。放蕩息子が親のもとを離れて、結局は惨めで哀れで、食べるものすら手に入れられなかったほどの状態になってこそ、「悔い改める」状態になるのである。
 このことが先に述べた「行き着くところまで行く」ということになる。

 私たちはどのような時代に生きているのか。以上述べてきたことが多くのアメリカ人の心であり、アメリカ人が見る未来の現実なのである。』

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