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多民族国家日本・その構造を探る 2

被支配階級として押さえつけられていた者たちがある時は技術で、ある時は財力で、エスタブリッシュメントたちに限りない影響を与えていった。
 エスタブリッシュメントたちはそれを恐れ、先にも述べたように第二次世界大戦敗北という、どさくさの中でそのライバルを叩き落していったのである。
 そして今日の経済構造ができた。

 「フォーリン・アフェアーズ」誌から引用する。
『 マッカーサーは即座に、軍部と内務省を解体したが、そうすることで、結局は大蔵省が埋めることになる権力の真空地帯を作り出してしまったのである。マッカーサーのもう一つの目的だった日本経済の改革もまた、大蔵省に有利に働いた。経済改革の中核的手段は、米国における反独占キャンペーン同様に、日本経済を支配してきた大規模な特殊会社である財閥を解体することだった。財閥の主たる富裕な一族は、大蔵省による経済政策の立案にとっては厄介な存在だったため、この改革もまた大蔵省に有利に機能した。』

 財閥解体とは常に善であると、私たちは学校の教科書で教えられてきた。しかし、次の文を読めば、大蔵省がいかにその敵である財閥をマッカーサーの権威を利用して潰していったかが分かるのである。
 日本人に教えられていない真相がここに述べられているのである。
 
 『米国側の財閥に対する反発は、戦争が終結する前から広く知られており、先を読むことに長けていた大蔵省は、マッカーサーが日本の土を踏んだときには、財閥解体に備えてすでに準備を整えていた。日本が降伏してまだ間もない時期に、大蔵省は財閥解体に対処しようと、彼ら特有の緻密な周到さをもって、昼夜兼行で大量の銀行券を印刷する計画に秘密裏に着手した。なんと彼らは、この計画のために、複数の大手印刷工場さえも押さえていたのである』
 『その後、大蔵省は最後の一撃を加える。彼らは、膨大な量の銀行券を市場に流通させ、周到にハイパー・インフレを引き起こしたのである。その結果、その後の四年間において、円の購買力は95パーセントも低下し、財閥一族が受け取っていた国債も紙切れ同然と化してしまった。』

 この「フォーリン・アフェアーズ」誌は大蔵省の勝利によって財閥が骨抜きにされた要因を述べている。
 そのことを権力闘争と述べているほどである。
 財閥の力が落ちるとともに一部の大手銀行や保険会社は大蔵省の支配下に入っていった。
 『大蔵省は、米国では、連邦準備制度理事会、財務省、連邦預金保険公社(FDIC)、会計検査院、証券取引委員会がそれぞれに分散して担当している領域のすべてを、一手に自らの管轄領域としている。さらに、大蔵省は、その外局である国税庁を通じて日本の税システムも管理している。』

 この機関誌は大蔵省がこの国税庁をも握ることで、どれほどうまく日本の政治家及び経済を動かしているかを述べる。
 『というのも、彼らは、既存の規制を選択的に強制することで、すでに日本社会を支配しているからである。日本の規制は厳密に書かれているが、一方ではその執行はきわめて柔軟に行われる。これを通じて、官僚たちは、ダブル・スタンダードを維持できるのである。彼らはある種の脱税に対しては大目に見るのだが、一方で、彼らがペナルティを与えたいと思う相手には、厳格な税基準を適用する。』

 財閥ではないが、田中角栄氏はエスタブリッシュメントたちにとって本当に恐るべき人物であったに違いない。
 それこそ、田中氏は小学校卒であったのに、東大法学部で固めたような大蔵省に手を突っ込み、大蔵省に異議を唱え、大蔵省を自分の配下に置こうとしたほどなのである。
 ついに、この田中氏もいわゆる金脈暴露によって崩壊させられていく。「文藝春秋」に書かれた立花隆氏の論文がそのスタートであった。
 それらの材料はどこから出たのであろうか。おそらくこの「フォーリン・アフェアーズ」誌が正しいのであれば、大蔵省が雑誌社にそのデータを流し、田中金脈を時至れりとして国民の前に暴露したのであろう。
 
 大蔵省による、すなわちエスタブリッシュメントたちによる、財閥への大いなる一撃は次のように述べられている。
 『さらに大蔵省は、財閥一族の資産の90パーセントをも取り上げるような残酷な富裕税を課した。米国人の目の前で、大蔵省は歴史的とも言える権力闘争を演じてみせたのである。混乱が過ぎ去った後には、産業の支配権はほとんど痛みを伴うこともなく、資本家階級から一部の大手銀行、保険会社へと移動し、そして、彼らは大蔵省によって管理されていたのである。』

 
 では、万全ともいえる日本のエスタブリッシュメントたちの支配、弥生人以後受け継がれ確立しているかに見えるその支配権が今や、いかなる危機、いかなる苦悩に直面しているのであろうか。
 彼らに大いなる敵が現れたのである。それが世界最高権力集団である。

 世界最高権力集団、すなわちヨーロッパにそのヘッドを持ち、全世界を統治しようとする者たちは今や日本にも強力な圧力を加えてきているのである。
 読者諸氏はご存知の通り、この世界最高権力集団はもともとはヨーロッパの王家グループである。彼らが表に出て、その権威があまりにも大いなるがゆえに、多くの権力集団や利益集団がそれにくっついてきているのである。
 アメリカからの流れもある。ロックフェラーのCFR(外交問題評議会)であり、TC(三極委員会)であり、モルガン財閥もそうである。
 ヨーロッパの財閥もそこに連なる。すなわちビルダーバーグである。
 今日、この世界最高権力集団は非常に強力である。政治力、経済力、軍事力・・・、そしてスーパー・コンピューターをその掌中に収めている。

 彼らはかつて世界各地に植民地を持った。それこそが自分たちに都合のいい秩序であったと信じているのである。彼らは愚かにもサタンに従いながら、自分たちこそが神から世界を支配する権限を与えられていると思っているのである。
 この世界最高権力集団は各国家、各民族に強烈なトラブルを与えている。それゆえに「民族は民族に、国は国に敵対する」というイエスの預言通りのトラブルが世界的な規模で起きているのである。
 その波は日本のエスタブリッシュメントたちにも押し寄せている。

 「文藝春秋」(1999年9月特別号)での小沢一郎氏の言葉は、そのことを端的に表している。
 「これはグローバリゼーションの問題でもある。この流れに反感をもつ人達の中には、[グローバリゼーションとはアングロ・サクソン原理の国際化である]と言って批判する人がいる。
 しかし、そんなことを言っても、どうしようもない。世界はそれに基づいて動いているのだから、きちんと対応して克服するしかないのである。」
 さらに、小沢一郎氏は次のようにも述べる。
 「新世紀を迎えようとする日本が平和を維持し、生き残っていくためには、国際社会との協調を図らなければならない。そのためには、国連を中心としたあらゆる活動に積極的に参加していく以外に道はない。その意味で私は、日本が率先して国連常備軍の構想を提案すべきだと思う。兵器・技術の発達により、もはや昔の主権国家論は通用しなくなった。個別的自衛権や集団的自衛権だけで、自国の平和を守ることは不可能である。集団安全保障の概念、すなわち地球規模の警察力によって秩序を維持するしかない。自衛権は歴史的使命を終えて、これから縮小することになる。そして日本は国連常備軍に人的支援と経済力を提供すべきである。」

 では誰が世界政府を支配するのか、誰が国連常備軍なるものをコントロールするのか・・・。
 この点がもっとも重要であるのに、小沢一郎氏は述べていない。知っているのか、知らずにただこれを書いたのか。
 はっきり言えることは今や、小沢一郎氏が述べているような時代なのである。それゆえに日本のエスタブリッシュメントたちは大化の改新以来、最大の世界的規模での試練に直面していることになる。
 日本でもそうであるように世界各国で、この世界最高権力集団との戦い、そして国家間、また民族間の争いが頻発していくものと思われる。


 つづく

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